2022.10.14

人口減少社会に対するローカル鉄道の挑戦

【概要】ラッシュ時の増便を目指し、無人駅に行違い設備を設置

北条鉄道は、加西市の北条町駅から小野市の粟生駅までの延長13.6km、全8駅を結ぶ単線ローカル鉄道で、通勤や高校生の通学、高齢者の足として地域を支えています。最近では、沿線住民やボランティアの熱い活動が話題となり、観光客も増えています。しかし、単線であるため発着は1時間に1本が限界であり、便利であるとはいい難い状況でした。また、今後の人口減少社会による通勤、通学客の確保も課題となっていました。本事業では、中間駅である法華口駅に無人駅での列車の行違い設備を設けました。

寄附受入れの経緯・工夫
寄附の募集に当たっては、企業版ふるさと納税の窓口となる部署が、企業との関わりが深い産業振興課より情報提供を受け、オーナー企業を中心に候補企業を選定。元副市長である北条鉄道副社長が幅広い人脈を駆使して企業に声かけを行いました。本事業に共感いただけた企業には、副社長と担当部局の幹部が訪問し、企業版ふるさと納税の制度やメリットなどについて丁寧に説明を行いました。寄附企業への感謝の気持ちから、法華口駅に企業名入りの石板を設置したほか、寄附を活用して設けた設備の完成式典に、寄附企業をお招きしました。

寄附の経緯・効果
加西市の元副市長との人的つながりで寄附を決めましたが、同市や本事業に直接関わり合いがなく、取締役会での寄附の名目の説明に苦慮しました。寄附によるPR効果と社会貢献を説明し、最終的には合意を得ることができました。寄附は企業のイメージアップにつながっています。

【成果】ラッシュ時の増便で通勤客が増加

  1. 朝3往復と夜2往復の増便を実施し、新規通勤客を獲得
  2. 鉄道ファンの来訪が増え、交流人口が増加
  3. イベント列車の運行等、鉄道活用の選択肢が増加

【事業分野】交通・都市計画
【事業期間】2018年4月~2020年3月
【総事業費】194,030千円
【寄附額】64,100千円
【寄附件数】21件
【寄附企業名】福伸電機株式会社、西部電気建設株式会社 ほか19社

引用:令和3年3月内閣府地方創生推進事務局 企業版ふるさと納税活用事例