2022.10.14

産業観光施設「九谷セラミック・ラボラトリー」を整備

【概要】既存の製土所を整備して、伝統産業と観光振興につなげる

360年の伝統を誇り、小松市の産業の一翼を担う「九谷焼」は、明治期には「ジャパン九谷」と称され、日本の主要な輸出品の一つにもなっていました。当市では陶石の採石から粘土加工、素地づくり、上絵付けまでの工程が一貫して同一地域で行われており、昔ながらの杵と臼で陶石を粉砕する装置であるスタンパーによる陶石加工が受け継がれる全国的にも希少な製土所は、築後50年を経過し老朽化が進んでいました。本事業では、この製土所を「九谷セラミック・ラボラトリー」として再整備し、作品の展示販売や陶芸体験など産業観光施設として、また、若手クリエイターを中心とする次世代の九谷焼創作の拠点施設として活用します。これにより、産業振興や新たな雇用創出、観光振興を図り、九谷焼産業全体の活性化へとつなげます。

寄附受入れの経緯・工夫
日本遺産「『珠玉と歩む物語』小松」の認定を契機に、構成文化財の一つである九谷焼の継承と発展のため、当市が創業地である小松マテーレ株式会社にトップセールスを実施。その結果、同社から企業版ふるさと納税を活用した多額の寄附の申し出をいただきました。同社には、本事業の構想段階から関わっていただき、同社が持つ産業観光やプロモーションのノウハウを生かした助言をいただくことで、人材育成と産業観光を一体的に実施する施設の完成につながりました。

寄附の経緯・効果
当社は、小松市に隣接する市に本社を置いておりますが、創業地である小松市の産業振興や再生に対して、従来から強い関心と使命感を持っていました。九谷焼産業の人材不足や需要低迷といった地域課題を打開するという本事業の趣旨に賛同し、継続的な寄附を決定しました。

【成果】新施設の完成で観光客・交流人口が増加

  1. 2019年5月に「九谷セラミック・ラボラトリー」がオープン
  2. 若手人材の育成や交流の場として活用され、九谷焼の従事者数が増加
  3. 本施設を拠点とした作家・窯元巡りなど産業観光を展開
  4. 展示ギャラリーの整備で、直販業績が向上

【事業分野】文化・芸術・スポーツ
【事業期間】2016年9月~2020年3月
【総事業費】195,200千円
【寄附額】195,200千円
【寄附件数】5件
【寄附企業名】小松マテーレ株式会社、栄千工商株式会社

引用:令和3年3月内閣府地方創生推進事務局 企業版ふるさと納税活用事例