【概要】県立種たねいち市高校に寮を整備し、南部もぐりを広くPR
120年ほど前に洋野町種市にヘルメット式潜水技術が伝わり誕生した「南部もぐり」(※)は、これまで多くの潜水士を世界各地に輩出してきました。その伝統を受け継ぐ岩手県立種市高校海洋開発科は、潜水と土木を同時に学べる日本唯一の学科で、全国で活躍する約3,300人の潜水士の3分の1が同校出身者です。しかし、近年の少子化などから入学希望者は減少しており、入学者の確保が課題となっていました。こうした現状を危惧した産学官の関係機関6者で協定を結び、学生寮の整備を行うなど、潜水士の担い手確保や育成に取り組んできました。本事業では、学生寮を継続して運営するほか、PR活動を展開し南部もぐりの認知度の向上を図ります。
※ 洋野町種市で学んだ潜水士及び潜水産業の総称。当町が八戸南部藩の領地だったことに由来。
寄附受入れの経緯・工夫
2017年に6者協定が締結され、協定企業からの寄附等により学生寮の整備を行ってきま
した。今回、学生寮の運営費用について、企業版ふるさと納税を活用した寄附を改めてお
願いしたところ、多くの企業から賛同が得られました。また、6者協定のメンバーが積極
的に取引のある企業に寄附の呼びかけをしてくれたことも、スムーズな寄附集めにつな
がりました。本事業の運営状況は機関誌を作成して寄附企業に送付しており、次年度以降
の寄附につなげています。寄附の経緯・効果
港湾等の社会資本整備等の促進及び海洋開発の振興を目的とする日本潜水協会にとって、南部もぐりの伝統を維持することは必要であり、そのためには若い担い手の確保が必須であることから寄附を決定。会員各社が寄附に対し理解を示してくれたことでスムーズな寄附につながりました。また、南部もぐりに対する熱意を町や学校関係者に示すことができました。
【成果】少子化のなか、入学者数を維持
- 学生寮の整備を行ったことで、県外からの入学者数が増加
- 町内外での南部もぐりイベントや学校PRポスターなどにより認知度がアップ
- 小中学校で海洋教育を実施したことで、海への愛着心が高まった
【事業分野】人材育成
【事業期間】2018年4月~2020年3月
【総事業費】27,008千円
【寄附額】5,300千円
【寄附件数】31件
【寄附企業名】一般社団法人日本潜水協会、五洋建設株式会社、東亜建設工業株式会社 ほか18社