2022.10.14

国宝「 山鳥毛」を生まれ故郷へ

【概要】国宝「山鳥毛」を購入し、日本刀文化を未来に伝える

瀬戸内市長船地域は、かつて全国一の日本刀の生産量を誇り、日本刀の聖地とも呼ばれています。しかし、市内に国宝や重要文化財指定の刀剣は残されていませんでした。そのような折、備前刀の中でも1、2を争う優品である国宝「山鳥毛」が岡山県外へ流出する動きがあり、これを購入し、岡山県で守っていこうとする事業を立ち上げました。これを機に日本刀文化継承の機運を高めることでシビックプライドにつなげ、日本刀文化を子どもたちの教育素材として活用します。また、観光資源としても活用し、関係人口・交流人口の増加にもつなげます。

寄附受入れの経緯・工夫
寄附を募るに当たって、当市に縁のある企業や刀に関心がありそうな企業をリストアップし、電話等で連絡するところから開始。当市の事業や企業版ふるさと納税制度の内容を記載したパンフレットを企業に送付したことや、県内の地方紙に新聞広告を出したことも効果がありました。市長のトップセールスが寄附の決め手となったケースも多いですが、寄附企業が他の企業に声かけをしてくれた結果、即決で寄附が決まったこともありました。ふるさと納税やクラウドファンディングとあわせて資金集めを行ったことや、地域新聞や放送局などの協力を得たことで、事業そのもののイメージや認知度が高まったことも寄附獲得につながりました。また、プロジェクトに共感してくれた、地域で発信力のある方をアンバサダーに任命し、当市と企業とのパイプ役を担っていただいたことも大きな効果がありました。多くの方に日本刀に興味を持っていただくため、刀に関連のある神社やイベント等で積極的にPRを行い、SNSで日本刀に関するプチ情報を積極的に発信しました。

寄附の経緯・効果
岡山県の宝を守ることで地域に貢献したいという思いから寄附を決めました。瀬戸内
市から招かれた内覧会では、実際に購入した国宝を目の前に見ることができ、県外に流失
しなくて本当によかったと感じています。

【成果】「山鳥毛」を購入することができ、守り続ける第一歩となった

  1. 普及啓発活動のなかでシビックプライドが育まれた
  2. 事業が注目され市の認知度が上がりイメージアップ
  3. 関係人口が大幅に増え市に貢献したいという気持ちを持った人が増加

【事業分野】文化・芸術・スポーツ
【事業期間】2018年11月~2020年3月
【総事業費】737,360千円
【寄附額】312,010千円
【寄附件数】154件
【寄附企業名】岡北生コンクリート工業株式会社、株式会社カルファイン、両備ホールディングス株式会社ほか144社

引用:令和3年3月内閣府地方創生推進事務局 企業版ふるさと納税活用事例